健康はいつの社会でも人間生活の中で重要なキーワードです。しかし,健康の概念は時代とともに変わってきました。疾病があっても,満足して社会生活が送れれば健康であるという考えも現れてきています。今日では,疾病の対立概念としての健康から,積極的な健康への取り組みへの転換が求められているといえます。このような健康の概念の変化は,健康に関する学問の領域の拡大を必要としてきました。しかし一方では,健康があまりにも広い概念であるために、従来の学問領域では捉えることが困難となっています。 日本健康科学学会は,このような学問領域の拡大と健康の概念の変化に対応するために,1985年に設立されました。その後15年間,学会は業績を積み重ね 1999年(平成11年)には,信川益明会長の尽力により,日本学術会議登録学術研究団体(第18期,第7部予防医学研究連絡委員会)に登録されました。2002 年には引き続き同登録学術研究団体(第19期),2005年10月には,「日本学術会議協力学術研究団体」(日本学術会議法の改正に伴い、公的で対等な協働関係として発展)として,日本学術会議と共に科学者に期待される社 会的責任を果たしていくという役割を担い,今日に至っています。」 本学会は,健康に関する広い分野の専門領域の方々や,現場において住民の健康を支えている関係者などの健康に興味を持っている方々に,学術大会への参加並びに活動報告,学会誌への論文発表を行って頂き,健康に様々な角度からアプローチしてもらうことによって,健康を科学的に捉えるとともに,貴重な活動経験・研究・教育の情報交換などを通じて,様々な異なる専門分野の間のコミュニケーションを活発に行うことを目的としています。
日本健康科学学会は,健康に関する学問領域の拡大と健康の概念の変化に対応するために1985年に設立され,2005年に創立20周年を迎えました。現在の会員数は約800名です。広い分野の専門領域の方々に参加していただき,健康に様々な角度からアプローチしてもらうことによって,健康を科学的に捉えるとともに,様々な異なる専門分野の間のコミュニケーションを活発に行うことを目的としています。